Pioneer

忠実に、作品に込められた想いを再現するために

ドルビーデジタル(5.1chディスクリート)フォーマット誕生の意味

AVアンプの登場とその転換点
1980年代の半ばから90年代の前半、家庭用ドルビーサラウンドに対応したレーザーディスクやビデオソフトの普及に伴い、サラウンド再生に対応したAVアンプが各社から登場しました。ホームシアターという言葉も、この頃から一般的に使われ始めたといわれています。
しかし、AVアンプの歴史において最も大きなターニングポイントとなった出来事。それは何といっても1996年に誕生したDVDの登場にほかなりません。家庭用ドルビーサラウンドからドルビーデジタルへ。ディスクリート5.1chの音声を標準フォーマットとして採用したデジタルメディアの登場により、時代は大きく変わりました。
時代は、ディスクリート音声へ
ドルビーデジタルの誕生自体は1992年、映画「バットマン・リターンズ」で初めて採用され、世界がそのサウンドに驚嘆しました。パイオニアではDVDの登場以前、レーザーディスクにおいてこのドルビーデジタルに対応。AVアンプを中核としたホームシアターの時代に向けて走り始めていました。そして1995年の10月、業界に先駆けてドルビーデジタルプロセッサーSP-D07を発売。さらに同年12月にはAC-3(ドルビーデジタル)対応AVアンプ VSX-09を発売。それまでのマトリックスデコード技術によるサラウンド再生から、いち早く5.1chディスクリート音声に対応したマルチチャンネル再生を実現しています。
ディスクリート音声がもたらした意識の変革
ディスクリート音声が登場する以前、マトリックスデコード技術によるサラウンドでは映画館やコンサートホールのような空間を再現するという、所謂それらしい音場を演出するといったことが多くのAVアンプで行われていました。こうしたDSPの技術を使いさまざまな空間演出方法をより強化・発展させることで、AVアンプの技術を追求するという考え方は今でもあります。
しかし、ドルビーデジタルの5.1chディスクリート音声がもたらした技術革新の本来の意味は何か。私たちパイオニアは考えました。ステレオフォニックの時代から私たちが掲げてきた理念は、常に「基本に忠実であること」。プレーヤーからスピーカーに至るまで、どこまでもソースに記録された信号を忠実に再現することがオーディオの使命であるという考え方は変わりません。
パイオニアAVアンプテクノロジーの根幹を成すもの
ディスクリート音声は、なぜチャンネルごとに別々に記録されているのか。それは、各々の音声に制作者の意図や想いが明確に込められているということです。それを余すところなく、忠実に再現することなくしてすべての感動を再現することはできないといえるでしょう。
ならば、DSP(デジタルシグナルプロセッサー)による音場の制御は、心地よい空間をつくり出すだけで良いのか。明確な意図があるなら、それを正確に再現する技術を磨き上げることこそが大切なことではないのか。パイオニアのAVアンプテクノロジーの根幹は、まさにそこにあります。MCACCやフェイズコントロールといった、DSPによる正確な音場補正や位相を制御するためのさまざまな遅延補正の技術も然り。そしてダイレクト エナジーHDアンプによる多チャンネル同時ハイパワー出力を可能にする高音質・高効率化の技術も然り。すべては、制作者の想いを忠実に再現すること。それが、AVアンプの技術思想として私たちが掲げる「Advanced Multi-Channel Stereophonic Philosophy」です。
  • 1996年 DVD登場
  • パイオニア初の DVD対応DVD/LDコンパチブルプレーヤー DVL-9(1996年12月発売)
  • ディスクリート音声を代表するドルビーとDTS
  • ディスクリート音声を代表するドルビーとDTS
  • ホームシアターでの再生基準を定めたTHX規格
  • ITU-R推奨5.1chスピーカー配置
  • 5.1chディスクリート音声によるホームシアター再生イメージ
  • ドルビーデジタル(5.1chディスクリート)フォーマット誕生の意味
  • クリエーターの意図を正確に再現するためにプロスタジオの音づくりから学んだ「MCACC」
  • 理想の再生環境を実現する過程で発見した「フェイズコントロール技術」
  • アナログの限界を超えるための決断「ダイレクト エナジーHDアンプ」
  • より高度に、より簡単に。時代が求めるテクノロジーの発想「iControlAV」
  • さらなるリアルを求めて

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