スピーカー

EXシリーズ Excellenceの名を冠したパイオニアブランド最高峰モデル。

世界最高レベルのスピーカーシステムの一つと評される「TAD M-1」のコアテクノロジー。その優れた技術が「EXシリーズ」にも採用されています。それが、点音源の理想の追求から生まれた「CSTドライバー(CST-6001)」です。システムの開発に合わせて、その素材やパーツの一つ一つから見直し、「EXシリーズ」用として新たにリファインされています。

CSTドライバーテクノロジー

パイオニアの最高級スピーカーシリーズを開発する。そのために「EXシリーズ」では、「TAD-M1」で開発された最先端の同軸トゥイーター/ミッドレンジスピーカーユニット「CSTドライバー」の優れた技術を導入。その再生帯域全体にわたる正確な駆動は、クリアで、驚くようなライブ感と繊細さに満ちたサウンドを奏でます。 DVDオーディオやSACDの再生において理想的ともいえる正確な音像と自然な音場の拡がりを高次元で融合させることに成功しています。

TADの技術を継承

それは、パイオニアブランド最高峰の傑作であるために。「EXシリーズ」には、パイオニアが世界に誇る「TAD (Technical Audio Devices)」の技術を惜しみなく投入しました。ユニットをはじめシステムの開発にはTADエンジニア自らが設計に携わり、そのクオリティはリファレンススピーカーとしての厳格な基準を満たしています。現在、Air Studiosやスカイウォーカースタジオなど、世界の録音スタジオで一流の演奏家やサウンドエンジニアから高い評価を受ける、プロユースのリファレンスともいうべき「TAD」。その歴史は30年前に始まり、今日ではスタジオモニターとしてはもちろん、コンサートホールスピーカー、シネマオーディオシステムなど、最高の音質が求められるあらゆる場所で活躍しています。

ベリリウムトゥイーター

トゥイーターのダイアフラムには、「TAD」独自の蒸着法による極めて軽量で剛性の高いベリリウムを採用。これにより、入力信号に対してオーディオ特性に歪みや共振が加えられることなく、正確なピストン動作を可能にする非常に強靭なダイアフラムを実現しました。その性能は、数ある高級オーディオ素材の中でも非常に卓越した減衰特性を有しており、DVDオーディオやSACDなど高解像度ソースに含まれる100kHzまでの高域成分の再生には、ベリリウムトゥイーターが理想とされています。この革新的ともいえる再現性の高さは、オリジナル音源に秘められた豊かな芸術性を余すところなく引き出し、ありのままのサウンドの魅力を忠実に再生します。

同軸方式CSTドライバー

直接音はもちろん、反射音も含めすべての音が同じ音色でリスニングポイントに届くよう、「EXシリーズ」では「TAD-M1」のために開発された1ポイントから広帯域放射する同軸方式のCST(Coherent Source Transducer)ドライバーの技術を採用しました。その構造は、マグネシウムダイアフラムを採用したミッドレンジユニットの中央にベリリウムトゥイーターを装着。それぞれの音の位相や軸が同一となるよう正確にコントロールされます。その結果、非常に滑らかで原音に忠実な音質を再現。従来のドライバーと異なり、スピーカー軸をはずれた聴取位置でも周波数特性の乱れを一掃してします。

「EXシリーズ」に搭載されたウーファーユニット(TL-0701)は、「TAD」の卓越した技術と厳選された素材の組み合わせにより、非常に低い帯域においても優れた音質を確保しました。しかし、パーフェクトなオーディオ再生に必要なのは、こうした素材や技術だけではありません。システムに対するあなた自身の明確な意図と、それを取り巻くさまざまな環境も大きな要素です。パイオニアの「EXシリーズ」では、そうした想いや考え方までも増幅させ、新たな音の世界を提供します。

ウーファーユニットテクノロジー

ウーファーユニットは、大振幅においても歪みのないクリアで、かつ量感豊かな低域再生を実現するために、「TAD」の開発を通して長年にわたり蓄積されたノウハウをそのまま移植。新開発の3層構造振動板をはじめ、フレーム構造や磁気回路の設計に至るまで「TAD」ならではのクオリティが圧倒的な表現力の豊かさを可能にしています。

アラミドカーボン複合シェル振動板

「EXシリーズ」のウーファーユニットではコーンとセンターキャップの独自の一体構造を実現。アラミド織布とカーボン不織布の複合により、その剛性を飛躍的にアップさせました。また、不要なコーンの共振を排除したことにより、コーンがボイスコイルの運動を正確に伝えることができ、さらに制振性と信頼性に優れた新素材エッジと合わせ、再生音の精度が大幅に向上しています。

65mmの大型ボイスコイル

一般的なウーファーユニットでは、比較的小さなボイスコイルが使用されています。しかし、これでは高いパワーレベルでのハンドリング能力を減じると同時に、熱による出力レベルの低下をも招く原因となります。「EXシリーズ」に採用したボイスコイルは大口径65mmの大型サイズで、卓越したパワーハンドリングを実現。強靭なネオジムマグネットの駆動力と相まって高い音圧レベルはもちろん、あらゆる入力レベルにおいて優れた力強さを発揮します。

ユニット内のエアノイズまで考慮した磁気回路とフレーム

「EXシリーズ」のCSTドライバーとウーファーユニットは、内側の空気の流れまでも配慮した、これまでにない斬新な設計による磁気回路とアルミフレームが特長です。その独特な形状は、コーンの背面とボイスコイルの回りで、空気が自由に流れるようエアロダイナミクスを採り入れたデザインが設されています。これにより、非常に高い入力レベルにおいてもエアノイズの発生を防ぎ、クリアで繊細な音のニュアンスを堪能できます。

プレシジョンカーブ&ラウンドエンクロージャー

従来のスピーカーシステムは、通常複数のスピーカーユニットがフロントバッフルにフラットに並べられています。それでは各ユニットからの音は異なった距離でリスナーに届くことになり、それが合成されると音に濁りや滲みを生じさせてしまいます。パイオニアの「EXシリーズ」では、この問題を解消する精密な曲面形状による革新的なバッフルを実現しました。それが、「プレシジョンカーブ」です。スピーカーユニットを、リスナーを中心とする半径3mの球面に沿って配置することで、各ユニットからリスナーの耳に届くまでの時間を正確に調整しました。またエンクロージャーをラウンドシェイプにすることで音の回折現象を低減しトータルのタイムアラインメントデザインに寄与します。

スラントレイアウトエンクロージャー

「S-1EX」では、エンクロージャーを8度傾斜させています。これはプレシジョンカーブと合わせてユニットの取り付け位置のタイムアラインメントを図ることに加え、エンクロージャーの中心に重心を置くことで筐体全体の安定性を確保することにあります。従来のように直立した状態ではスピーカーユニットの重さにより重心が前方に傾いてしまいますが、この構造ではスピーカーユニットの振動をキャビネットの中心でしっかりと支えて安定させます。

Excellenceにふさわしいエンクロージャー

高品位なユニットが、その実力を遺憾なく発揮するためには、それにふさわしいキャビネットが必要とされます。「S-1EX」のキャビネットは、それ自身が共振することのないように、最小50mmから最大で100mmの多層構造による積層MDF材を使用。この優美なラウンドエンクロージャーは、驚くほど素晴らしいサウンドステージをもたらしました。サウンドの歪みは極限まで抑えられ、その比類ない透明感と明確な音像の定位とともに、かつてない高レベルの音響効率を実現しています。また、その外観も多くのオーディオ愛好家にとって、最高峰と呼ぶにふさわしいステータスを満たす上質な仕上げとなっています。

音の職人の技(パイオニア独自のABDテクノロジー)

私たちは、独自の音響シミュレーションにより、ほぼすべてのスピーカーエンクロージャーにおいて生じる定在波発生を抑える「ABD(Acoustic Balance Drive)テクノロジー」を開発しました。 ABDテクノロジーでは、ウーファーユニットとポートの位置を考慮し、キャビネットの垂直方向の定在波がスピーカーのレスポンスに与える影響を計算することができます。これにより、「S-1EX」ではポートとウーファーが最善の配置となるように設計。まず最初の垂直方向の定在波を完全に解消することで、次の定在波による影響も大幅に低減。その結果として中低域に濁りのない、正確でダイナミックな再生を実現しています。